成年後見と任意後見
団塊世代が65歳に差し掛かり、益々高齢化が進んでいく日本において、認知症にかかる方の数も増えていくとは確実です。認知症になり、判断能力が低下した場合、本人に代わり法律面や生活面の支援をする制度として後見制度があります。
後見制度は、従来の禁治産・準禁治産制度の問題点を克服する制度として、介護保険制度と同時に制定されたものであり、本人の残存能力を活用し、本人の自己決定権を尊重しながらノーマライゼーション(健常者と障害者等が共生する)の理念の基、本人の財産管理・身上保護を行うことを理念として導入されました。
この後見制度には大きく分けて任意後見と法定後見があり、以下のような違いがあります。
また、法定後見は判断能力に応じて後見、補佐、補助の3つの区分に分けれらます。
要は、任意後見は判断能力がある時点で将来に備える事前の対策、法定後見は判断能力が衰えた時点で適用する事後の対策と言えます。また、任意契約のメリットは、判断の能力が衰えた時、預貯金や不動産等の財産管理や、介護・福祉・医療サービスの利用、自分の意志を尊重した遺産分割の実行等、自分がどのようにして欲しいか契約に反映させることができる点や、後見人を自分で定めることができる点があります。
最後まで自分らしく生きたい、他人に迷惑をかけたくないという思いは皆さんが持たれている願いであると思います。痴呆や病気により判断能力が無くなっても、自分の意志を反映させる方法として任意後見制度があります。
当事務所では、任意後見のご相談も承っておりますので、一度ご相談下さい。