組織再編における税制適格と税制非適格の税務上の違い
組織再編には、税制適格と税制非適格の2種類がありますが、税制非適格を基本として要件を満たすものについて税制適格として取り扱われます。
税制適格と税制非適格の違いは、資産の引継に際し簿価で引継ぐ(譲渡損益が発生しない)か、時価で引継ぐか(譲渡損益が発生しない)の違いであり、税制適格要件は、企業グループ内再編(100%グループ内、又は、50%超100%未満グループ内)か、グループ外企業との共同事業再編かによってその要件が異なってきます。
これに加えて、グループ法人税制により100%グループ内組織再編は、譲渡損益調整資産(帳簿価額10百万円以上)に対して課税の繰延が発生します。つまり、100%グループ内の非適格組織再編では時価で引継ぐものの、引継時の譲渡損益に対する課税が繰延べられるため、結果的に税務上は簿価で移転したのと同じことになります。
このように組織再編の際に、含み損益を出すか出さないかというのも再編手法のポイントになりますが、100%グループ内組織再編では税制適格でも税制非適格でも含み損益が繰延べられることになるため留意が必要です。