小野山公認会計士事務所

全額損金の保険

全額損金(税務上費用)になる節税メリットのある保険として、逓増定期保険やガン保険がありましたが、逓増定期保険は2008年2月、ガン保険は2012年4月に改正があり、全額損金処理はできなくなっています。節税(課税の繰延)目的での使用が目立ちすぎると、いたちごっこのように改正が行われますが、現時点で全額損金できる商品は主に以下の3タイプがあります。

 

① 定期保険、生活障害定期保険

解約返戻金の上昇が緩やかでありピークの返戻率もそれほど高くありません。節税を主目的としているのであれば、よく検討される必要があります。

 

② 生前給付保険

いわゆる三大疾病(ガン、急性心筋梗塞、脳卒中)になった際に、生前に被保険者に直接保険金が支払われる保険です。個人の受取も非課税(高度障害状態の状態になった事等)になることもある商品です。リスクヘッジ商品として有効であると言えます。

 

③ 養老保険(リバースハーフタックスプラン)

通常の養老保険と違い、満期保険受取人を法人ではなく、被保険者である役員(または従業員)にしたものです。明確な処理規定はありませんが、1/2は保険料、1/2は役員報酬(または給与)として処理され、結果的に全額費用として処理できるものです。

 

全額損金タイプの保険は課税所得を低減できる効果があるため魅力的に見えますが、予定外の中途解約や、会社の将来キャッシュ・フロー、解約時も含めた全体的な効果も検討することが必要です。節税を狙ったのに却って全体のキャッシュ・フローでは損をしている場合もありますので、保険会社の説明だけを鵜呑みにするのではなく、会計・税務の専門家も交えて検討することをおすすめします。

 

当事務所では既契約の見直しや新規保険のアドバイスも行っておりますので、ご相談下さい。

 

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